るきなの独り言

何かと考え込むので発散します

人間は考えない、考えたくない

考えるのって面倒くさいですよね。

この記事を書くのだって面倒と思っています(自分の成長になると思って書いています)。

私はある疑問を持ちました。

人間は、知能を手に入れることでここまで進化してきました。考える力があったからこそ文明を発展させて、ここまで経済が発展しました。逆に言えば、考える力がなくては人間は発展することはできなかったであろうし、生存すらも困難と思います。

 ここで疑問にぶち当たります。人間は、考えることで発展してきたのになぜ考えることが面倒くさいと感じているのか。それでは目次です。

 

考えることが面倒くさいのは、自らの意志で考える環境にいないから?

 考えるのが面倒くさいのは、やらされているからだと思う人は多くいると思います。例えば、課題やレポート、宿題などでしょうか。これらは考えるのは面倒ですよね。でも、休日はどうですか?休日だから誰にも縛られていないはずです。それにも関わらずほとんどの人間は考えることを放棄していると思います。何となくゲームをして、YouTubeを見て、ご飯を食べに行って。特に考えていないことがほとんどだと思います。休日くらい考えなくてもいいじゃんという意見もあると思いますが、どうでしょうか。

 

人間は、考えるのが面倒になってきている

 休日くらい考えなくてもいいじゃんと思っても、次のようなことは調べたことはありませんか?

「休日の有意義な過ごし方とは」、「休日に何をすればいいのか」など。つまり、考えようとして、楽な方向へ逃げているという事に他なりません。人間って意外と自分でゼロから考えることって面倒に感じているんだとルキナは思っています。

それでは、なぜ人間は考えることが面倒に感じているのか、根拠は2項目あります。対策も提示しておりますので是非参考にしてください。さっそく見ていきましょう。

 

根拠1:脳のエネルギー消費

 人間は認知的負荷の高い作業を行う際に、脳のエネルギーを消費することが分かっています*1。これがいわゆる、決断疲れというやつです。また、脳のエネルギー消費量は意思決定の難易度にも比例して増加することが分かっています*2*3*4。もっと端的に言えば、よく考える作業をするほど脳のエネルギーは消費されるという事です。例えば、夜ご飯を何にしようかと決定することは比較的簡単ですが、一方でどの会社に就職するか、レポート課題を仕上げようといったことは複雑な決定のため、エネルギー消費量も大きくなります。

 このように脳のエネルギーを著しく使う作業を行う場合、ストレスがかかることで決定を先延ばしにしたりする可能性が高くなります。

 

決定疲れ、脳のエネルギー消費に対する対策

 まず決定疲れに関してですが、論文の中で対策が明示されています※1。さっそく結論を言うと、グルコースの摂取によって決断力の改善が見られるようです。食べ過ぎはもちろん禁物ですが、頭が疲れたな、頭使い過ぎたと思ったらグルコースを摂取してみるのもありかもしれません。

 続いて、認知的負荷の高い作業を行う際に、脳のエネルギーを消費しますが、エネルギーを消費してしまうものは仕方がないです。残念ながら、子ども(4歳から12歳)を対象にした研究*5ですが、認知トレーニングを行うことによって、前頭葉の発達が促進され、認知的負荷に対する耐性が高まるとのことです。また、認知トレーニングによって前頭葉の機能が改善されることから、認知的負荷が高い作業を行う際に、脳がより効率的にエネルギーを消費することができるようになるかもしれないとのことです。

 希望を捨てないでほしいのですが、これは大人でも当てはまる感じがしませんか?常に考えたり頭を使っているのにあまり疲れを見せない(疲れを感じていなそう)人を見かけたことがあるかと思います。恐らくですが、その人たちは考えることに慣れてしまっているのではないかと思います。習慣の力もあると予想されますが、考え続けることで認知トレーニングになっているのかもしれませんね。

 

根拠2:情報過多

 現代ってものすごく情報過多ですよね。日常生活でも強く感じると思います。例えば、どうでもいいニュースやら、バラエティ、YouTube、Tik Tok、instagramtwitterなど情報や情報源は上げればきりがないほどになってきています。では、情報過多と”考えることが面倒になること”とはどのような関係があるのでしょうか。見ていきましょう。

 人間は情報を処理することに非常に負荷がかかります。認知心理学の研究では、人々は情報を処理するために認知資源を消費することが知られています*6。ちなみに認知資源とは、考えるために必要な資源のことで、ワーキングメモリみたいなものです。一度に複数のものを覚えたり、考えたりする数には限界があるということです*7。人間の矮小な認知資源では、現代の情報量を処理することは不可能ということですね。昔の人の1日分の情報は、現代人では10分もかからずに超えてくるでしょう。こんな情報の山に埋もれていたら疲れてしまうものです。つまり、情報過多によって脳が疲弊することで脳のエネルギーを使い果たしてしまうことで、人間は考えることが面倒になってしまっているということです。

 

情報過多に対する対処法

  • 情報をアウトプットすること

 情報をインプットし過ぎると、頭が重く、だるい感じになってくるんですよね。そこでかなり有効なのが、アウトプットすること。考えたことをとにかく紙に書きだすことで、頭が軽くなるような感じがします。また、紙に書く行為は考えることになり、ボーっと考え事をしていることよりも何倍も記憶に残ります。紙に書きだすことで思考が深まり、新たなアイデアを思いつくということもざらにあります。おすすめです。

 

  • SNSを厳選しない

 書き間違えではありません。SNSは厳選する必要はありません。なぜか、SNSはやめようと思ってもやめられないからです。SNSを厳選しようとするとき、人間たちはどうしてもこう考えてしまいます「これはこの情報得るのにいいんだよな」みたいな、、。SNSは削除したとしても気づいたらインストールされてます。もはや怪奇現象。なら、何をするべきか。

 SNSの中でも「なんか、時間を無駄にしたかもしれないな」と思ったものはミュートやブロック、非表示等を利用してみないようにしてしまう事です(これも気づいたら非表示とか外してるんだよな、怪奇現象)。SNSが問題なのは、どうでもいい何となく気になってしまうものが多すぎることで、有益な情報を提供してくれものは積極的に活用するべきです。そういった点で、SNSはやめるのではなく活用する意識を持つようにすることです。

 

  • 付いていく人を決める

 今はなんにせよ情報が多すぎます。どれが信頼できるか、何が正しいのかを判断する事すら困難で、それだけで疲労します。その有効策としては、情報の主軸となる人を決めておくことです(もちろん信用し過ぎはいけません)。投資についてはこの人とこの人。日常の便利アイテムならこの人など。それぞれのコンテンツで2人くらいまでが丁度いいと感じています。それ以上になると、面倒になって結局情報収集すらしなくなってしまうんですよね。結局、表面的にたくさんの情報を得ているだけで、実際に身になったという情報はほとんどないのではないでしょうか。それなら情報を絞って、有効に使っていくのが良いと考えます。

情報がある程度限定されていれば、思考に余裕が生まれます。

 思考に余白が生まれれば、情報に対して考える余裕ができるという事。つまり、情報に対して、「これは本当なのか」「少し矛盾点を感じる」などといったことが考えられるため、騙されにくくもなります。

 

総括

 人間は、ゼロから考えることが面倒に感じられる傾向があります。その理由として、脳のエネルギー消費と情報過多が要因としてあります。認知的負荷の高い作業を行う際には、脳が多くのエネルギーを消費するため、ストレスがかかり、決定を先延ばしにする可能性が高くなります。また、現代では情報が過剰であるため、情報処理に負荷がかかり、考えることが面倒に感じられることがあるということですね。

 

 頭を使えるように脳が発達したけど、脳の運用コストが高すぎて使い切れていないという感じ。。。脳をコスパよく運用できるように進化してほしいものです。

 (車の燃費が良くなるように、脳の燃費も良くならないもんかなあ)

 

 

 

*1:Baumeister, R. F., Bratslavsky, E., Muraven, M., & Tice, D. M. J Pers Soc Psychol. 1998. 74(5), 1252-1265.

*2:Hsu, M., Bhatt, M., Adolphs, R., Tranel, D., & Camerer, C. F.  Science. 2005. 310(5754). 1680-1683.

*3:Raichle, M. E., MacLeod, A. M., Snyder, A. Z., Powers, W. J., Gusnard, D. A., & Shulman, G. L. Proc. Natl. Acad. Sci. 1998. 95(24). 15698-15703.

*4:Koechlin, E., Basso, G., Pietrini, P., Panzer, S., & Grafman, J. Nature. 2003 421(6921). 279-283.

*5:Diamond, A., & Lee, K. Science, 2003. 333(6045), 959-964.

*6:DOI: https://doi.org/10.1017/S0031819100004733

*7:Miller, G. A. Psychological review. 1956 63(2), 81-97.